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須磨の風2007

 「須磨の風」・・・それは、まったく不思議な気持ちに包まれる、他に例を見ない幸せな時間である。5月中旬、初夏の休日の須磨海岸で、不定期に行われて来たフリーコンサート。1981年5月11日に36歳の若さで亡くなったジャマイカ出身の世界的ミュージシャン、Bob Marley氏の死を悼み、彼の音楽とメッセージに共感した有志により、1982年5月11日に始められた。今では国境を越えジャンルを越え、ただひたすらに音楽を愛してやまない者たちの手によって、大切に守り継がれている。1986年までは毎年、以後、1991、2001,2002、2003、2004年と、不定期ながら過去に10回行われた。2007年は、イベント発起25周年を記念して5月12日と13日に行われる。微力ながら私も、この幸せなイベントの手伝いをさせていただく事になった。これは、そんな「須磨の風」の私的記録である。

 5月の須磨海岸は、晴れれば初夏のさわやかな風が行き過ぎる、開放的で、何もかもが清々しく光り輝く、絶好のロケーションである。海水浴シーズンには人で埋まるこの辺りも、未だその喧噪はない。しかし、わくわくするような夏の予感、自由で、のびのびしていて、何かが起こりそうな、気持ちの高ぶる季節とシチュエーション。そんな絶好の舞台で行われるフリーコンサート、もうそれだけで、気持ちのよい初夏の休日は約束されたようなものだが、このイベントは、単なるお仕着せの行楽以上の「何か」がある。

 舞台は、神戸市須磨海岸の公共休憩所「東パーゴラ」。山陽電鉄月見山駅から、まっすぐ南へ海まで出るとすぐにわかる。入場無料、全出演者・関係者一同まったくのボランティア、全てが手作りである。ただ来て、見て、楽しめば、それだけで十分。何の説明も理屈も、遠慮も要らない。無報酬にも関わらず、他の仕事を蹴ってでも参加を表明する著名ミュージシャンは数多い。それは、このイベントに参加する事そのものが、百戦錬磨の彼らをして、まったく得難い音楽的体験だからである。もちろんそれは、聞く側にとっても同じ事。演奏される音楽ジャンルは多様である。しかしそんなことはどうでもよい。この時に、この場所で、観客も出演者も関係者も一緒に音楽を楽しむ事、ひとつの空気を味わいたい、わかり合いたい、つながっていたいという、平和で幸せな気持ちに満たされる事、それが貴重な体験だからである。晴れてくれ・・・気持ちも世界も晴れてくれ、戦争も紛争も、この世から永遠になくなってくれと、ただひたすら祈りたい気持ちに包まれる。

 


 「須磨の風」2007出演アーティスト一覧

5/12(土)
 徳田 建
 BACI
 サンペイ&フレンズ
 前田泰伸
 MORGAN'S BAR
 ピスタチオ55g
 光玄
 ラバーズブラスホッパー
 加計呂麻レゲェーズ(山下卓也・井山明典・中村岳ほか)
 後藤ゆうぞう&hisワニクマ・デロレン&マキ
 大西ユカリとほぼ新世界
 多空バンド
 小林エミ
5/13(日)
 すず虫バンド
 バラガキ
 BeiBe
 トケオ&ザ・サンズ・オブ・須磨の風
 MORNING AFTER GUMBO
 ハイサイもんちさん
 裸賊
 アキラ
 滝本恭三バンド
 SunSons
 Soul Shakers
 オルケストル・ピリピリ
 ARAと仲間達
 YAHMAN & BELLS, MAN
 I & I (C-Rag, Red I, Ta-Sanほか)
 OSAKA LOCAL
 KAJA
 ネイバーズ(天野SHO・ロメルアマード・島田和夫)

 


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