Ariano Irpino

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大まかな位置は、上のようなものである。

 車で入るのは簡単。NapoliからBariへと半島を横断する高速道路A16の途中Grottaminarda出口から、州道「SS90」へ降り北東へ約15分。Napoliからは約一時間半。略図はAriano Folkfestivalホームページより、ちょっと加工して転載。

 公共の交通機関で入るには、イタリア鉄道Trenitalia Napoli-Caserta-Benevento-Foggia線で行けなくもないが、あまりお奨めできない。一日数便に限定されるうえ、南イタリアの鉄道時刻の不正確さや、最寄りのAriano Scalo駅から中心部までの、約4kmの足がないからである。ナポリからは、Autoservizi Irpini(AIR)社の長距離バスで入るのが一般的である。

 ナポリからAriano Irpinoへ直通するバスはない(2005年)。途中のAvellinoで、Ariano Irpino行きか、さらに途中のGrottaminardaでAriano Irpino行きに接続するバスに乗り換える。Napoli-Avellino間は、平日昼間は30-60分間隔で便があリ、所要時間は1時間弱で、特に問題はない。Avellino-Ariano Irpino間は、Grottaminarda乗り換え便を含めて、平日でほぼ1時間から1時間半に1本、所要時間は直通の場合1時間半程度である。従ってバス移動の場合、乗り換え時間を含めると、Napoli-Ariano Irpino間の所要時間は4時間かかると見ておいた方が良い。

 ただしこのバス会社は地元住民の足となっているため、外来の旅行者、特にイタリア語を解さない人に親切で解りやすい仕組みになっていない。つまり、南イタリアではよく見られることだが、表示すべきところに表示がないか壊れているので、常に係員に確認する必要がある。

Napoli CapodichinoのAvellino行プルマン乗り場

 ナポリからのバスの一部はCapodichino空港を経由する。私は空港から直接バスに乗った。乗り場は、空港を背にした通りを突き当たりの三叉路まで歩き、ロータリーの向こう側をうろうろしていると、青いバスが来る。バス停などの表示物はない。バスにも行き先表示がない事が多いので、運転手にAvellino行きかどうか必ず訊ねる事。切符は、イタリアの常識に反して、近隣のカフェやタバコ屋などでは売られていなかった。運転手も売らないので、結局どうなっているのかわからない。ほとんどの客は定期利用者か地元民で、既に切符は持っている。私は降車後、Avellinoの事務所で買い求めた。

AvellinoのAIR社バス・ターミナル

 Avellinoでの乗り換えは特に要注意である。この街はAIR社の本拠地になっていて各方面からの路線が集中しているため、中心部のターミナルは頻繁にバスが発着している。しかも、どのバスがどこへ行くのか、どこへ行くバスがどの位置に止まるのか、などという表示がほとんど機能していないので、逐一係員に訊ねなければならない。しかも、全くと言って良い程英語は通じない。また、イタリア人の習性と思われるが、悪い意味で分業が徹底されており、切符を売る人に発車時刻を訊いても答えてくれないし、発車時刻を知っている人にそれはどのバスかと訊いても答えてくれないので、自分の乗るべきバスを、広いターミナルの中で見つけ出して発車前に乗り込むのは至難の業である。さらに、Grottaminarda乗り換え便の運転手は、自分のバスがAriano Irpinoへ行く便に接続している事を関知していない。こうした事は、あらかじめ乗客が知っておくべきものという常識があるらしく、懇切丁寧な日本の交通機関と大きく異なるので注意を要する。また、Ariano Irpinoの「Irpino」を省略すべきでない。「Ariano Autostrada」という、中心部からは大変遠いところに到着するバスがあり、これは「Ariano」と略されているからだ。

 総合的な情報は、あらかじめ自分でしっかりと掴んでおく必要がある。AIR社のホームページに時刻表があるが、イタリア語で略号も多く、旅行者には解りにくい。また、土日祭日や、フェスティバルの日にはほとんど、あるいは全く運行しない事がある。ホームページはイタリア語だが、注意深く観察すれば、概ね正しい情報を得る事が出来る。

 先ずホームページにアクセスし、「Orari」(時刻表)をクリック、「Partenze da Napoli per Avellino」(Napoli発Avellino行)をみてみると、Avellinoまでは頻繁に便がある。土日祭日も、便数は減るが特に問題はない。アンダー・ラインのある便はCapodichino空港を経由する。次に「Orari」に戻って、「Partenze da Avellino per...」(Avellino発各路線)を開き、左下のタグで「A-B」を選んで「Ariano Irpino」を捜す。逆に復路は、「Partenze per Avellino da...」(Avellino行各路線)を見る。

 黒字の便は平日の運行である。緑字の表記に注意する。「Giornaliera」(毎日)とあるものは毎日運行している、すなわち土日も運行している。逆に言うと、土日はこの便しか運行しないという意味である。同様に「Festiva」(祭日)とあるものは、祭日にはこの便と「Giornaliera」(毎日)とあるものしか運行しない。つまり、平日には、長くても1時間半に1本ずつある便が、土日祭日には1日数本に減ってしまうという事である。日本のように、土日祝日はこの時刻に変更されるという意味ではないので、くれぐれもご注意を。さらに「cG = c.za Grotta」などという表記があるが、これは「Grottaminarda乗り換え」という意味であり、そのバス自体はAriano Irpinoまで直行しない。従ってそのバスの運転手にAriano Irpinoまで行くのかという訊き方をすると「No」という明確な返事が返って来て、「乗り換え」のことまでは教えてくれないので注意を要する。

 

Ariano IrpinoのAIRバス停留所

 

 上は、Ariano Folkfestivalホームページに掲載されている町内の略図をちょっと加工したものである。馬の背のような尾根の上に街があると思ってもらえれば良い。街は小さく、小1時間もあれば充分見て回れるほどの規模である。地図の天地の部分は、かなり急峻な崖になっており、「Villa Comunale」と書いてあるところにノルマン時代の城跡があって、そこからの眺めは実に素晴らしい。

 地図の左手が、NapoliやAvellino方面から城郭内に入る旧道、もう一本のヘアピンを切ってある道は、車で入るためのバイパス高架橋になっている。城内にレストランが3軒(赤い「R印」ほどあるが、うち2軒は昼は営業していない。左下の「R印」は街の近所で唯一常に開いているレストランだが、車でないと行きにくい。街中に宿泊施設はなく、最も近いホテル「Incontro」でさえ、州道「SS90」に出て西に約4km離れている。

 NapoliやAvellino方面と連絡する長距離バスは、旧道を上がって来て地図右手の黒字の「Bus Stop」表示のある広場に停まる。オレンジ色の「Bus Stop」の文字は、近郊を巡回している路線バスの停留所で、朝5時頃から夕方の8時頃まで、ほぼ1時間に1本ずつ便があり、ホテル「Incontro」前にも停車する。「6」の方向へ降りる道は、州道「SS90」Foggia方面へ向かうもう一本のバイパス道であり、これも高架橋になっている。イタリア鉄道の「Ariano Scalo」駅は、東北方向に約4km離れたところにあるが、一日数本の便しかない。

 

町を紹介するパンフレットより。赤い実線(加筆)が州道「SS90」。

 


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