ザイール・ヤ・バココ「第三の旅」


アクション・プラン・ブラジル編

 ブラジルへ行くのにFortalezaから入国する日本人観光客も珍しかろう。なかなかクロウトっぽくて良いではないか。当初の計画では、LisboaからCabo Verdeへ一旦寄って、そこからブラジルへ飛ぶ事になっていたのだが、6月出発で、ブラジル北東部のFesta Jeninaの期間が限られている事と、Cabo Verdeは7月にフェスティバルがある事を考慮して、一行は直接ブラジルへ、私は6月末に別れてRioへ行き、アンゴラへ行く。他のメンバーはFortalezaから7月のCabo Verdeを目指す事になった。
 さて、ブラジル北東部の旅の私のお目当ては、なんといってもSao Luisで行われる「Bumba Meu Boi」である。これはEthnomusicologistのKazadi wa Mukuna師曰く、「アフロ・ブラジル・インディヘナの打楽器とのズムの総合展示場。これを見ずしてパーカッション出来ますなんて言う事なかれ」とまで断言されていたほどの祭りである。6月から始まり、ピークは第3週の週末というから、今年は6/21のはずだ。それまで連夜を徹してひたすら演奏が続けられるらしい。しかも、師曰く、カーニバルと違ってどんちゃん騒ぎではなく、極めて音楽的で敬虔な宗教行事であるとのこと。師とはリンガラ語でメール交換を重ね、いまのところ現地で落ち合う緩やかな約束が出来ている。これは、私の音楽的なキャリアにとって、欠く事の出来ない、全く得難いチャンスである。旅の実現に向けて、先ずは大きな前進であった。6月はブラジル北東部一帯で、同じような宗教行事がどの街でも行われていて、もちろんRecifeやSalvadorなどにも行ってみたいが、あちこち欲張らずに腰を落ち着けてSao Luisに滞在することになるであろう。この点で他の一行とは意見が異なるので、まあ単独行動になるでしょうな。
 6月のメイン・イベントを見たあとは、のんびりバス・ツアーにするつもりだ。Salvadorで兵どもの夢のあとを散策するもよし、そこからRioへ直行するバスも出ているが、まあせっかくだからPort Seguroという古都を観光するのも一興だ。この時期は、浜辺に夜通しでディスコ・パーティーが催されるというから、まあ音楽的には気楽なばか騒ぎも良かろう。そこからRioへもバスがある。ブラジルは公共交通機関が発達していて、旅の計画など、要するにどこへ行ってなにをしたいかという旅の本質的な部分を考えるだけで良いので助かる。
 Rioへ着いたら、アンゴラ行きの航空券の手配をしつつ、夢のCorcovadoで瓜ちゃんを思い出しつつBossa Novaの生演奏でも聞きに行くとするか・・・ それが済んだら、いよいよ地獄への旅の幕開けである。

Posted: 水 - 1月 23, 2008 at 12:58 午前          


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